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「堺まつり」 大仙公園会場
本席:武者小路千家堺同好会
大野点:煎茶清風社(堺女性団体協議会)







      < 目 次 >
       1.お茶席準備 服装、持ち物、日常対応
       2.由来
       3.本席 
武者小路千家茶席:武者小路千家堺同好会
       4.大野点席 
煎茶松風清社:堺市女性団体協議会
       5.
“茶の湯”の心  和敬清寂一期一会      
堺の“誇り”を表した堺市最大のイベントとして、昭和49年以来、毎年10月に「堺まつり」が開催されています。
 私も市民活動団体“堺なんや衆”の一員として、「CHAの文化」の基本である“おもてなしの心”を体験するために、大仙公園内で開催されている「堺大茶会」の席に参加しました。
 その体験の中から感じた“おもてなしの心”についてご紹介します。これは、茶道にまったく素養のない私の、体験的な素人談義であり、これから学ぶ「CHAの文化」への私のプロローグです。
<お茶席参列の準備>(“堺なんや衆”内部事前連絡)
   服装
     正式な茶席:   紋付、無地紋付
     薄茶だけの茶会:和服(小紋等でも充分)が基本、正座に適したもの
      ・装身具(指輪、イヤリング、ネックレス、腕時計など)ははずす
      ・和服では、待合で新しい足袋とはきかえ、不要の品は、ひとまとめにして乱れ籠に入れておく
   持物
     帛紗ばさみ(懐紙入れ)、帛紗、懐紙、楊枝、扇子、替え足袋(白ソックス)、足袋入れ、出し帛紗
     (古帛紗)、残菜入れ、ハンカチ、風呂敷
   日常的な場合
     日常的には、ジーパンにT-シャツのようなラフな姿でなければよい持物は、懐紙と楊枝(黒もじ)
     と替えの白ソックス程度は持ってゆくこと
<由来>

「茶道」開祖 「千利休」(大仙公園座像碑文より)
 大永2年(1522年)、堺市今市(現・宿院町西)にて、会合衆魚屋千与平衛の長男として生れる。
 幼名与四郎。幼少の頃より北向道陳に書院台子の茶、のち武野紹鴎に茶湯を学ぶ。宗易と改名。拠筌斉と号す。
 織田信長、豊臣秀吉の茶頭。天正13年(1585年)正親町天皇から利休居士号を勅賜。創意にすぐれ、わび茶を完成。

茶室 「伸庵」(登録有形文化財、玄関「伸庵来由」より)
 明治、大正を代表する数寄者にして建築家仰木魯堂氏が東京芝に建立した茶邸たりしが、故辻本英一氏の手に入り、今回、堺市が博物館を建立に一華を添えんとして福助株式会社より寄贈せらる故にして有志の方,この移築する事也。
   昭和55年10月 
      京 嵯峨野 大徳寺 
               如意住 立花大亀法
<本席>(武者小路千家茶席:武者小路千家堺同好会による“おもてなし”)

待合室
 玄関に入って受付を済ませ、待合室に案内された。ふた間続きの奥の部屋正面床の間に一服の「掛け軸」がかかり、床に亭主心づくしの「会記」が用意されていた。
 客は、その前に進み、亭主の“おもてなしの心”と無言の会話をしながら拝見し、後に続く客に席を譲り末席に下がって、亭主の“おもてなしの心”を話題に歓談して待ち合わせた。
 すでに、お茶席の作法が始っている。

 
お茶室
入室

 ご案内があって、お茶室へ入った。
 座敷に入ってすぐ前に、茶釜があり、そこが下座ということだろうか、客は順じ奥へ入り、それぞれ上座に正座することになった。
 上座から、“正客(しょうきゃく)”、“次客”、“三客”と言うそうだ。
 客がひととおり座についたころ、“亭主”と“お席主”が入室され、“お席主”よりお出迎えのお辞儀と歓迎のご挨拶をいただいた。
 “お手前”(お茶を点てる人)が着座され、流れるような動作で作法を進め、茶を点ててゆく。

会話
 “お手前”がお茶を点てている間、“お席主”が今日のお茶席の流派(武者小路千家堺同好会)などご紹介があった。
 “正客”がお茶の道具や掛け軸、茶花などを題材に、会話を交わしながら、“お手前”がお茶を点てている間の時間を過ごす心遣いをする。
お茶菓子
 ころあいを見計らって、“お運び”がお茶菓子を持って入室し、正客より順じ差し出された。その授受は,ただひたすらお辞儀による無言の会話で続けられた。
 上座からそれぞれに懐紙を取り出し、次席の客に「お先に」と会釈をしながら菓子器より一つづつを箸を使って取り分け、毛氈の内側に置く。箸を揃えて次席の 客に菓子器を回す。
 “お席主”のおすすめがあって、お菓子を懐紙に載せたまま手元に持ち上げ楊枝で適当に切っていただく。その際、お菓子の重みで懐紙が手折れないように、懐紙は数枚重ねて使用するのがコツだとわかった。
お茶をいただく
 “お手前”がお茶を点て終えると、“お運び”が、先ず、“正客”に差出す。“正客”はお辞儀をして“お席主”のおすすめでお茶をいただく。
 “三客”までのお茶の振る舞いが済むと、“お運び”が奥よりあらかじめ用意してあったお茶を上座から順じ差出して振舞われた。
 出されたお菓子との取り合わせが良かったのか、一口目の味のなんともいえない美味しさに、「これは本物!」と感服してご馳走になった。。

 作法
    流派によって違うようだが、基本は、
  @ 運ばれてきたお茶を右手で畳の縁の内側に入れる。
  A 右側、左側の客に軽くお辞儀をし、自分の正面にお茶碗を置いて
    “お手前”にお辞儀をする。
  B 挨拶が終わったら、お茶碗を右手で持ち上げ、左手の手のひらに
    のせて右手をそえ、お茶碗を持ったままお辞儀をする。
  C お茶碗には正面があり、運ばれてきた時に客に向けた側が正面に
    なる。
  D お茶をいただく時に、この正面を避けるためお茶碗を回してからお
    茶をいただく。
  E まず、一口含んで、口の中でお茶の香りと味を楽しむ。その後、何
    口かに分けて最後の泡までお茶を飲み干す。
  F 飲み終わったらお茶碗の飲み口を指でぬぐう。
  G “お運び”がお茶碗を下げにきたら、お茶碗を右手で持ち上げて左
    手のてのひらにのせ、右手で“お運び”に正面を向けて畳の縁の
    外側に出し「ご馳走様でした」と気持ちを込めてお辞儀をする。

 “お手前”が片付けをしている間も、“お席主”と“正客”が会話を楽しみながら時間を過ごす。
  “お手前”が片付けを終えてお茶室を出て行く時、最後に お茶席の入り口で挨拶のお辞儀をする。それに合わせて客も感謝の気持ちをこめてお辞儀をする。

名物の鑑賞
 お茶席がお開きとなった後、“お席主”は、今日のもてなしに使用した茶器など名物を並べ客の要望に応じてご披露する。
 客は、膝元前に扇子を要を上座に向けて置き、両手をついて“お席主”のお話しを聞きする。
     
 筝曲演奏   
 琴古流 尺八 大迫隆風、生田流 琴 田中洋子
<大野点席>(煎茶松風清社:堺市女性団体協議会による“おもてなし”)

煎茶席
 筝曲演奏の中、“本席”の余韻に浸りながらご案内に従ってお茶席に入った。図らずも、唯一空いている席が入り口間近にあるが、“正客”の席(左脇のタバコ盆が目印)であった。
 素養の面からその任に値しないと固辞したが、“次席”にお座りのご婦人から「“正客”は、男はんに座っていただかないと座が引き締まりません。今日は、お祭(堺まつり)だから、気にされんとどうぞお座りになって・・。」といわれて引き下がれず、押されるままに席に着く羽目になった。
 “お席主”のご挨拶が始って、お茶席が始るが、“正客”が緊張してご挨拶に応じてお話しを切り出さないのを見て取られた“次客”のご夫人が、まず、“時候”を切り出しに、“屏風”(茶器の前の小さな建物が、屏風の見立てであることにびっくり)、“お花”、“茶器”など手際よく話題を広げてゆかれる様に感嘆した。
 会話の合間に、こっそりお聞きすると、「裏千家の師匠をしております」とのことだった。以後、“正客”でありながら、“次客”のお師匠さんの後について見よう見まねで煎茶をいただいた。
 煎茶と抹茶の違いは、先ず、一番茶をいただいた後で、“お席主”のお勧めに従いお菓子をいただき、その後、若干渋めの二番茶をいただくこと、加えて、“三客”への振る舞いが済んで以降は、“お運び”が、急須を5人ごとにおいて、あらかじめ、それぞれの座席の前に用意されたお茶碗に上座の客から順じ自分で入れて回し飲みすることにある。
 下座の客への心遣いから、自分のお茶碗への注ぐ量には気をつけないといけないと“次席”のお師匠さんに教えられた。
 “次席”のお師匠さんのお話では、「昔は、旦那衆が煎茶をしてはったんですよ」とのこと。「旦那さんも、はまんなはったら(勉強されたら)よろしいのに!」とご指導をいただいた。
   
 主人の“もてなしの心”と客の“感謝の心”が、無言、有言の会話の中で行き交わされ、その心が一服の茶を通して“形”として表されたものが“作法”であることを実感した。
 通い合う“心”が、「一期一会」、「和敬清寂」に通じていることも感じた。
 「聞き上手」。 その教えに扇子も用意すべきであったと反省が残った。
 
<“茶の湯”の心>

「和敬清寂」(わけいせいじゃく)
 千利休「茶の心」:お互いに心を開いて仲良く、敬いあい、心を清らかにして、どんなときにも動じないこころ
   「和」:お互いに心を開いて仲良くする
   「敬」:お互いに敬いあう
   「清」:心の中を清らかにする
   「寂」:どんなときにも動じない心


「一期一会」(いちごういちえ)
 千利休の弟子・山上宗二著『山上宗二記』「茶湯者覚悟十躰」の一条「常の客たりとも露地へ入るより出づるまで、一期に一度の会のように亭主を敬い畏るべし」。
 「茶会を一生に一度の出会いの場ととらえ、相手に誠意を尽くすこころ」


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